私たち、税理士業界の話をしましょう。
今、日本に何人の税理士がいるかご存知ですか?
6万人ですよ。6万人!
そりゃ、弁護士の数に比べたらめちゃくちゃ多いですよ。
石投げりゃ税理士に当たるって感じです。それで、みんな税理士試験5科目合格して、税理士になってるかというとそれは違う。
税務署を23年以上勤務ののち退官されると無試験で税理士になれる資格が得られるんです。
開業税理士の70%以上がこのパターン。
あとは大学院に行って修士課程を修得する方法。
「財政学」「法律学」の修士課程を修得すると試験が免除されちゃう。(最近は最低2科目合格しなきゃいけないみたいですが。)
今、試験全5科目合格して開業している税理士は10%ぐらいしかいないんじゃないですか。
それで、みなさんが知らないといけないのは
「自分の税理士に対するニーズ」です。
どんなことをしてもらいのか?もう一回考えてみましょう
「単なる記帳指導」ですか?
「指導でなくて経理部門の丸投げ」ですか?
「節税」「経営に関する相談事」「資金繰りの相談」ですか?
私はこの仕事を「サービス業」と位置づけていますから、
「お客さんのニーズに応えれば、顧問税理士が、税務署OBだろうが、試験合格してようがしていまいがどうだっていい」という考えです。
確かに税務署OBの先生は試験は受けていないけど「税務調査の仕方」は仕事だったんでよく知ってる。これもお客さんのニーズであれば私はOKだと思っています。
一番困った先生のタイプは、「私は会計の専門家」だということで「経営の専門家ぶっている先生方」です。自己満足に浸りきっています。最近、会社の決算書が重要視されるようになったのが原因なのか、「会計が経営の重要な部分を占めている」ような話をされる方がいるのが私には理解出来ません。
はっきり言って「会計」は所詮「会計」であがってくるのは過去の数字です。
絶対に経理とか会計にお金がかかりすぎてはいけないんです。にもかかわらず「業績の悪い会社は会計がしっかりしていないから」とかいう会計の専門家がいるから困ったものです。
業績の悪い会社は、「単に粗利益があがっていない」
というのが根本的原因です。でもね、この部分の相談を一般の税理士にするっていうのは社長、大間違いですからね。やっぱり税理士にも得意、不得意がありますからね。(ちなみに私は経費削減の提案より売上を上げる提案の方が好きです。)
ただ、過去の実績数字をないがしろにしてはいけません。だから試算表は早くスピーディに仕上げましょう。(えっ?うちの試算表がまだあがってこないじゃない。どうなってんの!先生。す・・すみませんっ!)
今日は税務調査とお客のニーズの話。
税理士の力量はこの税務調査での対応でわかると言っても過言ではないかと思います。私も税務調査の立会いを数多くこなしてきました。
税務調査のおかげでその会社の社員の不正が発覚したなんて苦い経験もしています。税務署から「申告是認(要するに追徴税額なし!)」をもらえないこともあります。
うちの業界では、「申告是認!」を自慢する税理士、特にそれをウリにする税理士の方がいらっしゃいます。「ウチの事務所は税務調査で追徴税額なしなんだ」納税者側にとってはなんとも頼もしいお言葉に感じますよね。
でもね、みなさん、私の知ってる限りそんな税理士さんの納税処理は基本的に税務署寄りです。つまり、グレーゾーンに関して納税者の立場でものを考えていないんで少々多目に納税させてることも考えられるんです。ですから税務署から追徴を求められることも少ないわけです。「申告是認!」を自慢する税理士は私から見ると「自分のために単にリスクを負わなかっただけ」でしかありません。
私の本音は
「ちょっと、頭固すぎるんじゃないの?」
ですね。
申告是認を勝ち取るために、会計事務所としては異常?と言わざるをえないくらい領収書1枚、1枚のチェックがなされるんで顧問料も当然高い!それがお客のニーズならいいんだけど、お客はもう少し顧問税理士と経営に関する話がしたい、時間がほしいと思ってる〜なんて温度差のある話も耳にすることも多いんです。
もう少しなんとかならないの?
もっともお客の顧問税理士に対する不満のほとんどが
「税理士が顔をみせない!」
ですから、今申し上げた方々は、会社にはきっちり訪問しているのでまだいいほうなんでしょうかねぇ?
それでは私が超積極的な節税提案を行う税理士なのかといえば案外違っていて、
「会社の資金繰りを圧迫する節税は絶対に勧めないタイプです。」
大部分の節税は会社の利益を小さくするものですから、固定資産の購入、修繕費の前倒し計上をはじめ会社からお金が流出します。金融機関からの借入があるから会社がまわっているようなもので、経営者はそれを忘れてはいけないのです。節税のために会社の運転資金が底をつくようなことをしていただいては困るのです。
それから、私は「税務調査は交渉事」だと初めっから腹をくくっています。税務知識が旺盛な税理士が調査立会いに向いているとは思ったことがありません。調査官とケンカ腰で言い争う税理士の話もきいたことがあります。納税者からと見るといかにも闘ってくれているようで頼もしくも見えますが実際は調査官とケンカしていいことは何もありません。
むこうは「もっていくのが仕事」なんで「駆け引き、交渉術」を私たちも磨いていく必要があるのです。
プロレスのルールに「反則はカウント5までOK」とか「両者リングアウト、時間切れ、反則勝ちはチャンピオンの王座防衛」なんて意味不明のものがあります。往年のNWA世界チャンピオン、ハーリーレイス、リックフレアーなどは巧みなインサイドワークで王座を30回以上も防衛しているのです。税務署との交渉は所詮そんなもんだと思ったこともあるくらいです。
私は、開業間もない新米経営者です。
その新米が「お客様の永続発展を云々・・」とかいう「社会貢献」など理念にするのは、ある意味ウサンクサイと思いあまり理念を口にしないことにしています。
年配の先生方になってくると、よくわからん説法で顧問先をねじ伏せてしまう技術?もあるでしょうが、私はそうはいきません。
私が興味があるのは、「実践」そして「実戦」です。格闘技の本を読んだところで格闘技が強くなるものではありません。実際の練習継続であり、またその練習も実戦を意識したものでなければいけません。
「実践できるお役立ちがしたい!」これが私の基本です。
それでも税理士事務所をたちあげて一体何がやりたかったのだろうと最近しょっちゅう考えてしまいます。クライアントと付き合いながら、考え方も独立前とは微妙に変わってきているのも事実です。
お客様にどんなサービスを提供したいのか。
基本理念は、やっぱり
「顧問先の利益増大とお金を残すために貢献する!」
なんですね。
ですから、「節税」提案は勿論のこと、「実践的経営計画」を提案し「検証、反省」を経営者とともに行うことによって、より良い経営のお手伝いをしていきたいと考えています。
私自身がこの仕事をやっていて税理士業界の「仕事」と「価格」というものの認識についての話をさせていただきたいと思います。
まず顧問料とは、何か?
なんだかよくわからないけど、毎月定額の請求をされている・・・。
あれは、一体なんなのか??
他の先生方はどう思っているか知りませんが、あくまでの私の考え方です。
私がお客さんに行っているサービスとは・・
記帳代行、会計ソフトの入力のチェック
税務申告
総務、経理作業の合理化提案
月次試算表による経営状況の報告等
建設業経営事項審査対策
資金繰りの相談
銀行交渉
私の場合いろいろあります。
私の場合、お客さんのニーズに応じて、報酬を「月額○円」という風に固定しています。
「その都度請求を行ってくれ」
というニーズもあったので、やってみたこともあります。
しかし、おこなった仕事ごとに請求をおこすと結果的に請求金額が大きくなってしまう傾向があり、クレームにもなったのでその都度はやめたのです。
では、価格を下げればいいのか?というと、価格を下げる代わりにサービスの質を落とせるものでもありません。
法律に関する相談では絶対にそうです。
したがって、問題解決のために月に何回も訪問しなければならないケースがあっても、基本的に毎月定額で報酬を請求しています。
私は相談に対する回答の出し惜しみをすることが出来るほど、要領のいい器用なタイプではありません。
相談をうけておいて回答の途中で
「ここから先の回答は追加でいくらいくらの請求をします。」
とかいう技術をもっていないのです。
そのへんが怪しい経営コンサルタントという人とは違います。
顧問料をたくさん頂いているお客さんでもそうでないお客さんでも私の場合回答の質は同じです。
ちょっとした相談でも気楽にしていただきたいと思って固定にしているというのが本音です。
相談のたびに請求を行うシステムでは、正直だれも相談できません。
結局それはお客さんの損だと思っています。
会社の仕事、経営、業務、経理の日常ではいろんなことが起こります。
その時に気楽に電話をかけてすぐに解決していただきたいと思っています。
あとから、
「あの時こうしておけばよかった・・」
とか悔やんでいただきたくありません。
それでトラブルにもなったこともあります。
「なんで言ってくれなかったんだ!」
「それはお客さんが相談してこなかったからじゃないですか!」
と私は、言い切れる性格の持ち主ではありません。
お客さんがせっかく質問をしてきているのに、
「なんでそんな簡単なことを俺に聞いてくるんだ!」
ってどなる先生がいまだにいらっしゃいますが、はきちがえてらっしゃいます。
私にはその先生が、何を考えているのかさっぱりわかりません。
顧問料はどうやって決定されるべきか?
これは、私にとって永遠のテーマです。
顧問料は、その仕事の内容によって決定されるべきです。
私は仕事というものを大きく3つに区別しています。
1、知識経験等から判断を要する仕事。
2、ちょっとした判断を要する繰り返し作業。
3、判断をほとんど要しない、繰り返し作業。
別に会計事務所の業務のことをいっているのではなく、どんな仕事もこれら3つに分類できるはずです。
3番に該当するものは、社員でなくてもパート、アルバイト、派遣でも行えるものです。
(会社の社長が毎日この業務を行って忙しそうにしているのはよくありませんね。
でもこれが中小零細企業の実態ですよね(泣))
1番に該当することを社員全員がおこなえるようになってもらえれば、会社はかなり成長できると思っています。
残念ながらなかなかそうはいかないんです。(泣)
それで、これを会計事務所業務にあてはめれば、1番、2番に該当するものが多いような気がします。
お客さんの帳簿をチェックしたり、会計ソフトに入力したりする仕事は2番に該当します。
給与計算、年末調整も2番にあたるかもしれません。
この作業は、
「サービスを要した時間、件数」
をもとに報酬の額が決定されるべきです。
年に一回の会社の決算税務申告は、1番の業務にあたります。
1番に該当する知識経験等から判断を要する仕事というものは
「あくまでもその内容」で、
サービスを要した時間だけで
その価格を決定できるものではありません。
たとえば、
「節税等の提案業務」
「資金繰り対策」
「税務のグレーゾーンに関する相談」
などがあげられます。
しかもこういったものは、あたりまえですが、税務署や役所は相談にのってくれません。
あなたの会社の経営状態、人間関係、価値観、今後の見通し、夢目標、こういったものを知ったうえで的確なアドバイスが出来ること・・・・・。
だから、顧問料って発生するんです。
「保険料、安心料みたいなもの」
という先生方もいらっしゃいますが、そういった部分もあるんだと思います。
「税金のこともインターネットで調べればわかりますよね。」こんなことを言う人もいらっしゃいます。
でも、それって「あなたの会社の場合はどうなのか?」わかりますか?
「あなたの目線に合わせて専門用語を使わないで話が出来る専門家になりたい」
「難しいことを簡単に説明できるようになりたい」と私たちは考えています。
判断を要する仕事。
これは非常に付加価値が高いサービスです。
「時間あたりナンボ」ではありませんよね。
じゃあ、いくらが適正なんでしょうか?
お客さんの満足度が基準なんですけど、
数字で表すのが非常に困難であるのが実態です。
成果の出ないコンサルタントに報酬を払うほどバカらしいものはありません。
つまり、税理士報酬にも「完全成功報酬」という基準はないのか??
私は、
「報酬は仕事の内容で決まるものがある」
という話をしました。
しかし、「完全」成功報酬はいかがなものか???
税理士に税務申告を依頼して税金が安くなれば、「成功報酬」を払いたいというお客さんもいらっしゃいます。
言いかえれば、
「税金が安くならないのなら税理士にお金を払いたくない」
という人のことです。
お気持ちはわかりますが・・・
私はこんな人からの依頼は受けたくありません。
税務申告は、会社の中心的な仕事ではありません。
でも専門的知識がないと出来ません。
自社でやると結果的に時間とお金がかかります。
だからこういった業務はアウトソーシングしていただくのが、中小企業の場合ベストなやり方です。
アウトソーシングによって、
「時間とお金を節約しているのです!」
その時間で会社経営に必要な粗利益を稼ぎ出しているハズなのです。
それが、お客さんにとって「成果」ですよね。
ですから「税金がナンボ安くなった」
とかいうことだけが報酬の基準になるのは明らかに間違っていると思うのです。
赤字会社で納税額がゼロでも、税務申告の報酬は発生する理由はここにあるのです。赤字でも、税務申告は必要ですよね。
当然、税理士の提案で税金が安くなることもあります。
特に相続税などの資産税の案件は、税理士の能力がものをいいます。
税務署との交渉??も税理士によって違うかな・・・・
完全成功報酬型で出来る仕事とそうでない仕事が存在することをご認識いただきたいのです。
「仕事の内容で報酬が決まる」と言ってもいろいろと難しいものですね。